映画「映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険」/ポスターやラヴクラフトなどでも話題になった

映画ドラえもんのび太の南極カチコチ大冒険メイン画像

出典:https://eiga.com/
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2017

毎年公開のドラえもん映画、2017年はシリーズ初「南極大陸」が舞台。10万年という時を超え、のび太たちは新たな冒険へと旅立つ。

2015年から2年ぶりのオリジナル作品。氷以外は謎多き南極大陸、不思議なリングや謎の遺跡、そしてヒロインと不思議な生きもの。「ドラえもんらしさ」がたくさんつまっている。

公開前にはティーザービジュアルや、ラヴクラフトの「狂気の山脈にて」のオマージュ?なんていろいろと話題になった作品。



作品情報

  • 公開/2017年3月4日
  • 製作国/日本
  • 監督/高橋敦史
  • 出演者/水田わさび、大原めぐみ

あらすじ

南極から流れてきた大氷山で、のび太が見つけた不思議なリング。

どうやら10万年前から氷づけにされているようだ。 「10万年前の南極に行って、落とし主を探しだそう! 」ぶあつい氷の下には、大いなる謎が眠っていた。

地球の危機を救う、勇気と友情の大冒険がいま始まる!
引用:ポニーキャニオン

おすすめポイント

画面を広く使ったダイナミックなシーン

キャラやひみつ道具の動きだけでなく、いろんなアングルを使い立体的なシーンを描く。

序盤、巨大な氷山に作られた氷の遊園地。広々とした青空の地上と、美しい氷にかこまれた地下。ひみつ道具「氷細工ごて」と「ふかふかスプレー」の演出で軽快に描く。氷がぐんぐん増えたり溶けたり、やわらかくなったり。見ていてすごい気持ちいい。

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後半はブリザーガという大型ボスとの戦い。のび太たちの総力戦。ひみつ道具で間髪入れず攻めるところは、熱血ロボットアニメのような素晴らしいバトルシーン。

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余談

今作の監督である高橋敦史さん、スタジオジブリからマッドハウスを経た生粋のアニメーター。このハイクオリティなのも納得。

「選ぶ」ということ

今作品のキーワードとなる「選択」。ティーザービジュアルのコピーにある「救いたい星」と「友だち」。劇中でのび太たちは、大きな決断を迫られることになる。

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難しい問題は、やはり意見の対立を生んでしまう。それは私たち大人でも同じ。もし私たちなら、その時どう判断をするのか。理屈という合理的判断?直感という不確かなもの?

劇中でのび太が選んだ選択は、きっと今の私なら選べない。素直に「信じる」ことができるのび太は、やっぱりすごいし眩しすぎる。

グラフィックデザイン & 音楽の力

非常に優れたティーザービジュアルと音楽が、「映画を観たい」と人を動かした。

SNSなどで話題になったティーザービジュアルのグラフィックデザイン。これはデザイナー目線でも、一目で「素晴らしい」と驚いた。

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ティーザー広告とは「焦らす」。つまり意図的に情報を制限することで、好奇心をそそる手法。⋯ただ日本特有の「説明しすぎ病」のため、ティーザー広告を正しく運用されていることは少ない。

しかし今作ドラえもんのプロモーションでは、お手本のような完璧な「焦らし」。

ヒョーゴノスケさんのイラスト、そして福部明浩さんのコピーが「ストーリーのその先」を想像させ「見たい!」を強く喚起させる。

そして平井 堅のテーマソング「僕の心をつくってよ」。これはメロディと歌詞が刺さりすぎるしー⋯PVも曲と相まって涙腺が危うい。語彙力がただ下がりしてしまうー⋯。

まとめ

バリエーションに富んだアニメシーン、ストーリーも伏線をからめ、上手くまとまっている。

ただ1つ気になったのは時間配分。おそらく伏線をしくため前半に時間を使いすぎ。そのため後半がバタついてる印象。各シーンは素晴らしいので、着地さえ上手くできれば完璧だった。

総評としては、SFの要素やドラえもんの定番などを上手く盛り込んだ良作。意外と泣かしにくるシーンはなく、内容でしっかりと見せてくる硬派な作品。

でもやっぱり、のび太とドラえもんのからみはウルってきちゃう。

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2018年8月20日

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