あなたは麻雀のルール知っていますか?今回は不思議な漫画「麻雀を知らなくても読める麻雀漫画」です。
ベースは麻雀漫画なんですが、人間ドラマがメインという意欲的な作品。近代麻雀という専門雑誌でこういう連載をするとは⋯竹書房さんは懐が深いです。
ただ珍しいだけではなく、内容も折り紙つき。だって「麻雀専門誌で麻雀メインではない」ことを許されるくらいですから。
作品情報
- 著者/田中ユタカ
- 掲載誌/近代麻雀
- 既刊/全3巻(2018年8月25日現在)
あらすじ
盲目の美女「あげは」。彼女は奇跡の手とも呼ばれる治療師〈ヒーラー〉。
そして大の麻雀好き。財界人の出入りする高級店から小さな町の雀荘まで。場所も相手も選ばない筋金入り。
今日も素敵な卓を探して、夜の町へ1人繰り出していく⋯。
おすすめポイント
あげはさんの無邪気さ
あげはさんは盲目を意識させないくらい、とても自由奔放です。大好きなラーメンを食べ歩いたり、御付きの執事をからかったり。
その姿はどれも素敵なんですが⋯それが大好きな麻雀だとさらに魅力的なんです。ほわっとした笑顔や、ニカッと笑うイジワルな顔。
私のお気に入りは、第1巻の「緑一色の残照」ラストの笑顔。ストーリーも素晴らしいのでおすすめです。
対戦相手たちの感情
政治家や実業家、サラリーマンにチンピラまで⋯様々な対戦相手たちは、あげはさんと卓を囲むうちに、それぞれの奥にある強い感情を見せます。
それは読み手が共感できるものから、想像がつかない途方もないものまで。
それにあげはさんが何を感じ、どう答えるのか⋯この作品の根幹にある人間ドラマが展開されていきます。
笑顔の意味
彼女は常に笑顔であることを、笑っているわけではなく「視覚障害からくる筋肉のクセ」と言っています。
言葉通りその笑顔の裏には、彼女の感情が見え隠れします。明確な怒りであったり、子供のような喜び、そして悲しみ。
それがわかった時、物事を達観したような彼女から等身大の姿が見えてきます。
まとめ
この作品に出てくるキャラクターは、みなとても人間らしさを持っています。悪党であっても、どこか憎めない愛嬌があります。
それは田中ユタカ先生が、悪を描きたいわけではなく、それぞれの人間性を表現したかったからなのかな。私はそう感じました。
おすすめポイントはたくさんありますが⋯1番はやっぱりあげはさんの笑顔ですね。彼女はなぜ笑うのか?ぜひあなたの目で見てみてください。
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