やっぱり聞いてほしいことがある/「亜人ちゃんは語りたい」ペトス

世の中にはたくさんの神話や、おとぎ話があります。バンパイア、サキュバス⋯もしその登場人物たちが、現実にいたら?

「亜人」と呼ばれる性質を持った人間がいる世界。そんな彼女たちと交流するハートフル亜人コメディ!⋯なんですが。

実は「人と人の関わり」もキチンと描いています。読んでいると胸がスッとする、非常によく練られた深い作品。



作品情報

  • 著者/ペトス
  • 掲載誌/ヤンマガサード
  • 既刊/全6巻(2018年8月25日現在)

あらすじ

高校生の物教師、高橋鉄男。大学時代「亜人」の卒論を執筆するつもりだったが、諸事情により許可は降りなかった。

やりたかった卒論を諦め、先輩の研究を引き継ぎ無難に卒業。その後は教職につくことに。

そして赴任した学校、4度目の春。調べることも、会うこともできなかった「亜人(デミ)ちゃん」に高橋は出会っていく。

おすすめポイント

亜人ちゃんたちがカワイイ!

亜人ちゃんたちはその性質ゆえに、誤解や距離が生まれることもあります。

それでもみんな前向きに、いろんなことにチャレンジしていくんです。その姿がとても微笑ましく、思わず応援してしまいます。

個人的にはムードメーカーの小鳥遊ひまりが大好き。めっちゃアホかわいい、でも実は気配りの優しい子なんですよー。

高橋先生の教師らしさ

作中でも語られるのですが、亜人ちゃんたちの悩みはとても複雑です。それは「人ではあるが、人とは違う」ため。

そんな悩みを考えるには、亜人ちゃんたちだけでは難しい時もあります。

そんな時、高橋先生は亜人ちゃんたちをそっとサポートしてくれます。その距離感が絶妙で「こんな先生いたら楽しいだろうなー」と思わせてくれます。

SF or 科学?

「デュラハン」という亜人ちゃんをキッカケに、もしかしたら、その性質は科学的に解明できるのでは?という話になります。

観測事象、量子に時空⋯亜人ちゃんたちを物理学的にアプローチするという、斬新な切り口がとてもおもしろい。

まとめ

「性質」というセンシティブな題材。でも重苦しくなることもなく、登場するキャラたちをキチンと掘り下げています。

きっとペトス先生のバランス感覚と、魅力的なキャラがうまく融合しているからだと思います。みんな表情豊かで、すごい生き生きしてて。

読んでいるとキャラと一緒に楽しくなれる、とても爽やかな作品です。ぜひ亜人ちゃんたちの話を聞いてみてください。

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