リアルタイムの時はSNSなどで話題になっているのは知っている、というくらいでした。ある時Amazonプライムビデオで偶然見つけ「前に話題になってたやつだ。ちょっと見てみよー」なんて軽い気持ちで見はじめました。
1話、2話と少しずつハマり⋯⋯9話で完全にやられました。気がついたら外堀を埋められて「もー!好きになるよ、こんなのー!」って感じでした。その後は続きがどんどん見たくて、一気に最終話まで見てしまいました。
社交ダンスを知らなくても大丈夫。むしろ初心者でも見れるよう作られている作品です!ダンスと音楽、そしてダンサーたちの圧倒的な熱量、ぜひ感じてみてください。
作品情報
- 公開/2017年7月〜12月
- 監督/板津匡覧
- 原作/竹内友
あらすじ
何をすればよいか分からない
平凡な中学生・富士田多々良は
ある出来事をきっかけに社交ダンスの魅力に
引き込まれていく。「何か一つでいい、好きだと言えるものがあれば」
今の自分から変わるため、
多々良は社交ダンスの世界へ飛び込む。多々良の成長を圧倒的な「熱量」で描く、
唯一無二の青春ダンスアニメ、ここに開演!!
引用:http://ballroom-official.jp/introduction©竹内友・講談社/小笠原ダンススタジオ
おすすめポイント
「富士田多々良」への共感
主人公である富士田多々良(たたら)は、全くの無知から社交ダンスという世界へ飛び込んでいきます。
私もですが「社交ダンス」を名前とぼんやりとしたイメージしか知らない視聴者にとって、同じ目線の多々良くんは、強い共感と安心感を与えてくれます。やっぱり知らない世界に飛び込むのは不安ですから。
技術的なことや競技ダンス、ダンサーたちの思い、それを取り巻く環境など。多くのことを多々良くんと一緒に学んでいきます。ただそれも前半までで、成長を重ねた多々良くんは1人で進み始めます。
視聴者と多々良くんの別れはとても絶妙。私はいつのまにか多々良くんの隣ではなく観客席に座っていました。その成長が嬉しくもあり、ちょっと寂しい⋯⋯。
第9話「花と額縁」
この話はアニメ前半の山場。初心者から始まった多々良くんが、非公式ですが初めて大会に出場。そこで多々良くんのいままでの集大成が花開きます。
キーになるのがタイトルにもなっている「花と額縁」。女性は花、男性は額縁。ダンスにおいて、男性は花である女性を引き立てる額縁であれ、という考え方。
多々良くんの性格、初心者であるということ。それが普通のダンサーにはない、彼だけの「花と額縁」の答えを見つけます。その答えが多々良くんらしくて、胸がしめつけられてしまう⋯⋯。
ちょっとでも興味がある方は、第9話まででいいので見てほしい。前半最大の見せ場!テンション上がります。あと赤城真子ちゃんがめっちゃかわいい、大好き。
「共感」とは違う“何か”
「共感」はこの作品に貫かれているテーマであり、富士田多々良という人間性そのもの表しています。
しかし後半では、その共感とは違う“何か”へと進んでいきます。大きな要因の1つが新パートナーの“ちーちゃん”こと緋山千夏。
高校で偶然出会い、あるキッカケでペアを組むことになった2人。お互い歩み寄ろうとし、真摯にダンスに向き合っていくが⋯⋯。
ダンスへの考え方、根本的なリズムの違い、性格の不一致。何から何まで違いすぎる2人。
2人は衝突と反発を繰り返しながらも、合わせようとします。しかし「アンタが分からないから無理!」と千夏に言われる始末⋯⋯ツライ。
それでも2人は諦めず続けることで、頭での理解や同調ではなく、自分たちだけの共感の先にある“何か”を見つけます。
ここが熱い!すごく熱い!もうね12話から21話くらいまで、この2人はほとんど噛み合わないんですよ⋯⋯前半で9話の高揚感を知っているだけにキツかった。
ただ待った甲斐があるほどの解放感があります。ちーちゃんがツンデレかわいい、大好き。
まとめ
私には社交ダンスという馴染みが少ないジャンルでしたが、とても親しみやすく見ることができました。
前半は多々良くんのダンスとの出会い、初めてのパートナー、そして大会まで。しっかり順を追っていくことで、一緒に楽しめるようしっかり作られた構成。
後半はダンサーとして成長した多々良くんを見守るシナリオ。前半で基礎知識は入っているので、つまづくことありません。よりダンスへ踏み込んだ内容になっていました。
「共感」という一貫したキーワードを、前半と後半で違う切り口から紐解くことで、社交ダンスというスポーツの様々な側面を見せていましたね。
特に驚いたのは「花と額縁」を作品内でも表現していたことですね。最初、私はちーちゃんに苦手意識を持っていました。「めっちゃ性格キツそう⋯⋯多々良くん大丈夫?」とか思ってました。
でも額縁で美しく飾られた彼女を見て、どんどん惹かれてしまいました、大好き。
社交ダンスというジャンルの表現はもちろんですが、純粋にアニメ作品としても完成されている名作だと思います。
ぜひ素晴らしいダンスと音楽が、ボールルームに響くのをのぞいてみてください!
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