デジタルに関わるクリエイターたちの、AppleのWWDに並ぶイベント「Adobe Max 2018」。
Adobe Creative Cloud(以下「CC」)の大幅アップデート。そして最新技術の発表やさまざまなデモンストレーションなど。
その中でDTP関連のInDesign、Illustrator、Photoshopと大幅変更のあったTypekitをピックアップしてまとめてみた。
イベント情報
- 開催場所/アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス(ロサンゼルス・コンベンションセンター)
- 開催期間/10月15日~17日(現地時間)
Adobe Maxとは
Adobe Systemsが年1回開催するクリエイティブカンファレンス。セッションやワークショップ、Adobe CCのアップデートの基調講演、ナイトイベントなどクリエイターたちのビッグフェス。
そしてAdobeが先の展望を、公式に意思表示を行う重要なイベント。
ピックアップ
InDesign(v14.0)
他の2つにくらべると、数としてはひかえめ。
しかし内容はもっとも先進的。人工知能「Adobe Sensei」を利用した、画像配置やレイアウト調整の導入。ついにレイアウトの領域へ踏みこみはじめた。
内容を自動認識に応じて合わせる
フレームに写真などの内容に応じて、Adobe Senseiが最適な配置を行う。
レイアウト調整
リサイズの寸法を指定。Adobe Senseiが最適なマージンやフォントサイズなどに調整、リサイズを行う。
PDF コメントの読み込み
マークアップの付いたPDFを取り込み、該当の箇所制作データ上にをハイライトして表示。
Illustrator(v23.0)
イラレはソフトとして完成度が高いため、基本的にはUIなどの細やかなアップデート。より快適な製作環境に向けた機能が多い。
グローバル編集
Adobe Senseiの技術を活用した、類似オブジェクトを連動して編集できる。ロゴなど複数箇所に使用するデザインなどで重宝。
カスタマイズ可能なツールバー
基本 or 高度なツールバーへの切り替え、グループ化など自由度の高いカスタマイズが可能。
トリミング表示
アートボード内だけを表示して、最終的な仕上がりを確認できる。InDesignの仕上がりプレビューに近い。(個人的によく使う機能なので嬉しい)
100% 表示のプレビュー
モニタで表示されるサイズを、物理的サイズで描写できる。(A4のアートボードなら、A4実寸でモニタ表示される)
Photoshop(v20.0)
写真加工の効率向上と、UIの細やかなアップデート。イラレと同じく製作環境への改良・改善など。
コンテンツに応じた塗りつぶしの再構成
バッチツールの上位版。まわりにある情報をサンプリングして、より自然な塗りつぶしが可能。
簡単にマスキングするためのフレームツール
イラレのマスク機能に近い。これによって同ソフトでも、より高度なDTP作業ができる。
新しい複数取り消しモード
これはTwitterでも話題。ctrl + z で好きなだけ戻ることが可能。もちろんalt押せば戻れるけど、公式から直してきたことが嬉しい。
しかし1回しかアンドゥできないのを、なぜ今になって直したのか⋯そっちが気になる。
描画モードのライブプレビュー
選択した描画モードを、リアルタイムでプレビューしてくれる。
TypekitからAdobe Fontsへ
フォトライブラリーサービス「Typekit」が、「Adobe Fonts」というブランド名に。プランも「無償 or 有料のみ」とわかりやすく。
フォントの制限を撤廃と、使用できるフォント数の大幅追加。これにより、いままで以上にフォントを快適に使用することができる。
制限の撤廃
- フォント同期制限の撤廃
- WebフォントのPV & ドメイン制限の撤廃
- 「Webのみ」フォント利用制限撤廃
有料・無料プランの違い
- 有料プラン
7,000以上のフォントを追加、総数は2倍の15,000以上フォントが利用できる。なにかしらのCC有償契約があれば使用可能。 -
無料プラン
使用フォントが「1,500 → 6,000」と4倍に増加したこと。もちろん今までどおり、モリサワやフォントワークスなども使える。
その他ソフト
公式サイトにて、すべてのソフトへ動画説明がわかりやすく用意されている。XDやPremiere Rushなどもあるので、いろいろ見てみると新たな発見もあって楽しい。(公式サイトだと動画に日本語字幕あり)
まとめ
どのソフトも機能としてはほぼ完成されているため、UIやUXへのアップデートという印象。
やはり気になったのは人工知能「Adobe Sensei」によるワークフローの効率化。「Adobe Fonts」のフォントに対するインフラ整備。特に「Adobe Fonts」の大幅リニューアルと制限の撤廃、フォント追加はすごい。
どちらも伸びしろのあるサービス、個人的には「Adobe Sensei」に期待している。どんどん賢くなって、素晴らしいデザインパートナーなってくれたら嬉しい。
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