グラフィックデザインにおいて、レイアウトデザインというのは花形です。素敵な写真を使い、フォントを選んで、レイアウトする。みんながイメージするグラフィックデザインとはコレ。
実はその影にグラフィックデザイナーにとって、重要な作業があります⋯⋯それが「文字組版」。
この作業が表舞台でることは基本的にないです。その理由が「とにかく地味で、やっても気づきにくい」から。それでも文字組版をしないデザイナーなんて絶対にいません。(いないと信じたい)
これは料理でいうところの「下ごしらえ」。野菜の面取りや魚の臭みとりなど「やらなくても食べれる」けれど、プロなら絶対にやります。それは出来たものにしっかりと反映されるからです。
つまりブログの文字組みが気になるのです⋯⋯。
CSSでも文字組版は可能
そんなわけでグラフィックデザイナーにとって、文字組版とは必須作業なのですが⋯⋯Webはとにかく文字まわりが苦手!他のブログならとにかく、自分のブログテキストがベタ組みというだけで「ああぁぁぁ!」ってなるわけです。
しかもCSSがあまりにも融通がきかないので、カッとなってTwitterでグチってしまう始末。
つまり文字組みをさせてほしい!特に約物がとっ散らかるのが気になってしかたないよー!!
— ちゃんたま (@chantama14) September 12, 2018
そして次の日、冷静になって調べたらCSSでも文字組版が対応してることを、いまさら知るわけです⋯⋯ああ恥ずかしい!
ある程度までならIllustrator(以下「Ai」)やindesign(「Id」)のように、文字組版を簡易的になら調整できそう。
CSSの機能対応表
Ai & Id | CSSプロパティ |
---|---|
プロポーショナルメトリクス | font-feature-settings : “palt” |
自動(カーニング) | font-feature-settings: ‘kern’ 1;text-rendering: optimizeLegibility; |
字間 | letter-spacing |
行間 | line-height |
とりあえず上記4つがあれば、文字まわりの基本調整は問題ない。約物たちもプロポーショナルメトリクスが良い感じに流してくれる。
私は自動(カーニング)は使用していません。OpenTypeフォントでも対応も少なく、マイナーなプロパティなのでスルーしました。
使用条件
- OpenTypeフォント
OpenTypeフォントでも上手く機能しない場合あり。個々人の使用フォントとの対応状況を確認。 -
ブラウザの対応
閲覧者の環境なのでここはしょうがない⋯⋯。
ブログへの反映
おー!プロポーショナルメトリクス効いてる!これでだいぶ気持ちよい文字組みになってきた⋯⋯視認性がグンと良くなるなー、テンション上がる。
ほら、ピンチアウトしてみてください!文頭の約物とか気持ちいいし、カギ括弧とか最高!
(左:適用前/右:適用後)
OpenTypeフォント「游ゴシック」
ちなみに私の使用しているWordPressテーマ「ストーク」は「游ゴシック」が指定されています。
游ゴシックはOpenTypeフォント。しかも今回のCSSプロパティと互換性バッチリ。フォント的にも仮名が小ぶりなので、プロポーショナルメトリクスの恩恵も大きい。
モリサワのWebフォントが無期限で無料
デザインをかじった方なら、標準フォントのMS Pゴシックやヒラギノ角ゴ Proではなく、モリサワやフォントワークスなどのフォントが使いたいですよね。
ただモリサワだとサブスクリプションで月2千円〜⋯⋯普通に高すぎる。
エックスサーバー
さっき調べてて知ったんですが、レンタルサーバーのエックスサーバー(wpXレンタルサーバー)が全プラン、モリサワの30フォントが無料・無期限に使えたって知ってました?
私使ってるのにぜんぜん知らなかった⋯⋯。
もしエックスサーバーの方がいましたら、モリサワのスタンダードなWebフォントは網羅されていますので、ぜひ使い倒してやりましょう!もちろん文字詰めにも対応してますよ。
WordPress紹介系ブログとかに、そんなことどこにも書いてなかった⋯⋯デザイナーからするとモリサワフォントがタダとか、本当に信じられないよ!
というかエックスサーバー X10の1年プランが月割りで1250円だけど、もうフォントの値段で月額分チャラになってないコレ?
導入後発を逆手にとって、遊び心あふれる[フォント総選挙]を実施! ユーザーとの距離を縮めた『エックスサーバー』
モリサワのWebフォントが無料で手軽に使える!「Webフォント」機能提供開始のお知らせ
まとめ
漫画のレビューを書いてたはずが、なぜかデザインとCSSの記事になってた。漫画レビュー記事の手が止まって、ブログデザインをイジってたら熱が入ってしまった。
正直なところプロポーショナルメトリクスだけやっても、ブログデザインが良くなったりしません。あくまで土台づくり、まずはデザインありきです。
それでもブログなどで読みやすさを向上するなら、プロポーショナルメトリクスはやる価値のある機能なので、ぜひ試してみてください。
フォント大好きデザイナーへ
これを書いた1番の理由は、私と同じく紙媒体メインのデザイナーさんが、文字まわりで困ったー⋯って時に役に立てばいいなーくらいで書きました。あと自分用の備忘録として。
もちろんブログのカスタマイズでも役に立ちますので、ぜひ参考してもらえれば。
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